第3回 若者向け金融セミナー アーカイブ動画配信中
FinCity.Tokyoは、若者向け金融セミナーの第3回「80年後の君と考える『お金』の話」を令和5年1月14日(土)、オンラインで開催しました。若い社会人や大学生たちを対象に、資産形成を基礎から学び実践につなげてもらおうと始めた全3回の最終回。AKB48の武藤十夢さんの司会で、日本金融教育推進協会代表理事の横川楓さんとファイナンシャルプランナーの北野琴奈さんによる講義のほか、クイズやトークセッションなど盛りだくさんの分かりやすい解説で好評を博しました。当日の模様をアーカイブ動画とともにお届けします。
目次
2:49…講義「今からできるお金の向き合い方~資産形成ってなに?~」(横川楓さん)
30:39…トークセッション①
1:00:45…講義「目標を立てて、お金の運用を始めてみよう!」(北野琴奈さん)
1:35:54…トークセッション②
講義資料
今からできるお金の向き合い方~資産形成ってなに?~(横川楓さん)
目標を立てて、お金の運用を始めてみよう!(北野琴奈さん)
開催概要
テキストで要約を読む
今からできるお金の向き合い方
~資産形成ってなに?~
横川 楓さん
日本金融教育推進協会代表理事
講義要旨
変わらぬ給与水準
私たちを取り巻く環境は、1991年にバブルが崩壊して不況が長く続き「失われた30年」と呼ばれています。景気が良くなった時期もありますが実感はありません。そんな中、私たちの給料はどうなっているのでしょうか。
※失われた30年
1980年代、日本経済は実力以上にふくれあがり「バブル経済」と呼ばれた。バブル景気は80年代後半から始まり、89年12月には日経平均株価が史上最高値をつけたが、その後、株価はしぼみ、はじけた。バブル経済崩壊後の90年代初頭から日本経済の低迷・停滞が続き「失われた30年」といわれている。
将来のためだけ?
年収400万円台だった1989年から増えていません。この間、モノが値上がりし、社会保険料なども増えて消費税が導入されました。給料は変わらないのに手元に残るお金がどんどん減っている状況です。では、何にお金が必要でしょうか。今って結婚しない人もいれば、結婚しても子供を持たない選択肢を取る方もいて、子育てや老後などのライフイベントが多様化している時代です。資産形成というと遠い先のことと思っている人が多いのですが、お金が必要なのは日々の生活だったり、病気になった時だったり、資格を取るためだったり、趣味だったり。将来のためだけではないことを覚えておいてください。
まずは可視化を
資産形成とは投資などをしながら自分のためにお金をしっかりと作っていくことです。その第一歩はお金の管理、つまり見える化(可視化)することです。削れる部分、残していけるお金をしっかりと把握して貯金や投資に回せる余裕を作ることが大切です。
100円からできる
お金を残すためのステップとして①貯める②上手に使う③増やす-があります。収入の増やし方は①昇給②転職③投資④副業-の4パターンで、投資のうち初心者にお薦めなのが投資信託です。これはプロが運用する商品で、証券会社によっては100円から購入できます。基本放置で済むのもポイントです。
※投資信託
投資家から資金を集め、専門家が株式や債券などに投資して、その成果を投資家に分配する金融商品。購入・解約時の手数料に加え、保有期間は管理料がかかるのが一般的。時流にあった産業や特定の国・地域などの関連銘柄で構成する「テーマ型」と呼ばれる投信が頻繁に設定されている。
知識は武器に
お金の知識は、選択肢を増やす武器やリスクから身を守る防具になります。人生の選択肢を広げるためにも少しずつ、できることから身につけて活用していっていただきたいですね。
トークセッションI 要約
お金をどのように使えばいいのでしょうか
- Q
- つみたてNISAに月3万円入れていますが、学生のうちは経験に使った方がいいと思ったりもします。若者はお金をどのように使えばいいのでしょうか。
- 今しかできないことに使うことも大事です。つみたてNISAは金額を変動できるので1万円にしてみるのも手ですね。
- 自分への投資も必要です。NISAに限らず、積み立てに半分とか年齢によって割合を変えてみてもいいです。
- iDeCoは一定の年齢にならないとおろせません。どう思いますか。
- リタイア後のためにとっておく半強制も大事です。バランスをとって両方やるといいかもしれませんね。
※NISA(少額投資非課税制度)
株式や投資信託などの売却益や配当益を非課税にする制度。略称は「ニーサ」と読み、英国の「ISA」(アイサ)がモデル。政府は約200兆円ある家計の金融資産のうち運用収益が少ない現金・預金が半分以上を占める現状を課題と捉えて導入した。2024年、制度変更で恒久化される。
※投資信託
投資家から資金を集め、専門家が株式や債券などに投資して、その成果を投資家に分配する金融商品。購入・解約時の手数料に加え、保有期間は管理料がかかるのが一般的。時流にあった産業や特定の国・地域などの関連銘柄で構成する「テーマ型」と呼ばれる投信が頻繁に設定されている。
借金にリスクはありますか
- Q
- お金を借りるのはリスクがありますか。
- お金の管理をして何とか捻出できないか考えてからの方がいいです。借金癖がついて自転車操業になっても大変です。
- 投資してアウトプットできるかどうか考えないといけません。
やりくり方法を教えて
- Q
- 貯金や投資をしたい一方、美容や旅行、趣味などにお金を使ってしまいます。良いやりくり方法を教えてください。
- 月1000円投資とか低いハードルから始めて余裕ができたり出費が少なかったりしたら投資や貯金を増やす習慣をつけるといいです。
- モチベーションを持ち続けるにはお金の話ができる友達を作るといいです。私も頑張ろうと思えるのではないでしょうか。
- 私は月の頭に、その月に使うお金を大元の口座から別の口座に移します。その範囲でおいしいものを食べたりして、使い過ぎたら控えるやり方をしています。アプリで見える化すれば使いやすく貯めやすい環境ができるのかなと思います。
目標を立てて、お金の運用を
始めてみよう!
北野 琴奈さん
ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)、ワインエキスパート(日本ソムリエ協会認定)
講義要旨
時間は味方してくれる
60歳から90歳までの30年間の生活費はいくらかかると思いますか。ゆとりある生活だと6000万円を超えます。月36万円ですが、子供も巣立ったし月30万円ぐらいという方は2000万~3000万円が目安です。時間は味方してくれますので資産運用は早く始めるといいです。
制度変更されるNISA
NISAは個人が行う資産運用で、配当金と売却益に税金がかからない税制優遇が特徴です。この年末年始、2024年からの制度変更が話題に上りました。NISAのメインは一般NISAとつみたてNISAです。一般NISAの場合、非課税期間は5年間で、投資できる金額は年間120万円まで。つみたてNISAは、非課税期間が20年間で毎年40万円までです。若者にはつみたてNISAが人気ですが、どちらもいつ引き出してもいいのがiDeCoと違うところです。制度変更により恒久化されますが、運用総額など流動的なのでニュースに注意してください。
中断せず長期運用を
「運用商品はどうやって選べばいいですか」とよく聞かれますが、途中でやめずに長期で続けることです。そのためには大きく減らす可能性が低くなるよう種類や時間を分散し、値動きの特徴を理解しましょう。ちなみに資産運用でのリスクとは価格の触れ幅をいいます。上に触れてもリスクだと覚えておいてください。
また、投資信託には大きく分けてインデックスとアクティブがあります。インデックスは日経平均株価やトピックスとかの指数に連動し機械的に運用しているイメージですね。アクティブは積極的な運用をする商品でファンドマネージャーも入るので運用手数料は少し高めかなという感じです。
広がる選択肢
ライフプランや将来何をしたいのかを考えると必ずお金の話になります。お金があることで選択肢の幅は広がると感じています。
トークセッションII 要約
新NISAのスタートまで待つべきですか
- Q
- 2024年に新NISAが始まりますが、開始まで待った方がいいですか。
- 新NISAはこれまでと関わりなくリスタートみたいな感じになりますが、今年から始めていいと思います。ただ、新しい手続きが必要になるかもしれないので、それが煩わしいと思うなら待つという選択肢もありかもしれません。
- 今始めたらと思います。非課税の恩恵を受けられる1年を失うのはもったいない。
投資で奨学金を返済するには
- Q
- 奨学金、親に借りているお金合わせて800万円ほどになります。800万は投資のみの場合、どのような方法で、どのくらいの期間でたまりますか。
- 毎月3万円の積み立てで想定利回りを年3%とすると17年くらいかかります。
- どれくらいのスパンでどうやって返すかによります。どのような投資をするか選択肢を広げたらどうですか。
値下げ時のメンタル保持のコツは
- Q
- 投資信託などが大きく値下がりした時のメンタルの保ち方のコツを教えてください。
- むつかしいですね。儲けはほどほどにと思うようにしたらどうでしょう。
- 上の利益を行くラインと損切りラインを決めておくことでしょうね。
- 何%まで下がったらやめるとかリスク許容度を設定しマイナスになったら手放すラインを決めておくことです。
いつから始めたらいいですか
- Q
- NISAや投資は社会人になってからの方がいいのでしょうか。
- ポイント投資は投資額が少なくてもできますし、学生のうちから始めておくといいです。
- 値動きを見ていると勉強になります。やろうと思ったタイミングで始めるべきです。
- 「ポイント投資で増えてうれしい」と言っているメンバーもいました。そんなところからやるのもいいでしょうね。
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