みんなの金融セミナー アーカイブ動画配信中
令和4年10月8日(土)にFinCity.Tokyoで開催された「みんなの金融セミナー」。
司会に経済アナリストの馬渕磨理子さん、講師に慶應義塾大学大学院教授の蟹江憲史さん、ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん、インベスコ・アセット・マネジメントの内誠一郎さんの3名をお迎えし、「サステナブルファイナンスと投資の基礎について学ぼう」をテーマに、サステナブルファイナンスや投資・金融の基礎知識について詳しく講演していただきました。当日の模様をアーカイブ動画とともにお届けします。
目次
2:18…講義「SDGsを目指したサステナブルファイナンスで身近に世界を変える(蟹江講師)」
34:19…蟹江講師とのディスカッション
41:38…講義「人生100年時代の賢い資産形成術~iDeCo・NISAの活用法~(飯村講師)」
1:07:35…飯村講師とのディスカッション
1:21:26…講演「サステナブルファイナンスの基礎(内講師)」
1:49:35…内講師とのディスカッション
講義資料
「SDGsを目指したサステナブルファイナンスで身近に世界を変える」(蟹江講師)
人生100年時代の賢い資産形成術~iDeCo・NISAの活用法~」(飯村講師)
「サステナブルファイナンスの基礎」(内講師)
開催概要
テキストで要約を読む
SDGsを目指したサステナブルファイナンスで身近に世界を変える
蟹江 憲史さん
慶應義塾大学大学院教授
講義要旨
コロナ禍でも堅調なESG投資
今まだコロナ禍を脱したわけではないのですが、社会、環境、ガバナンスを考慮したESG投資が順調に伸びています。ヨーロッパではその傾向が非常に高く、アメリカ、日本でも同様です。ESG投資が新聞に掲載された数を見ても、コロナ禍直後は落ち込んだものの、すぐに回復していることから、注目度が高まっていることがわかります。それからエシカル消費、これは日本語で倫理的消費とも言いますが、これもコロナ禍に関心が高まっています。
コロナからの復興は変革のチャンス
コロナによって残念ながら社会の仕組みや経済が一度壊れてしまいましたが、立て直す際には変革していかなければいけない。これは逆に考えるとより良いものを作っていくチャンスと考えられます。一人一人の行動で世の中を変えていくことができるんじゃないかなと思います。
投資先を考える際にはSDGs17のチェックポイントを活用
賢く投資していくためにはサステナブルかどうかの見極めに17のチェックポイントを活用して判断していくといいんじゃないかなと思います。17というのはちょっと難しいという場合には、少なくとも3つの視点で考えるというのが大事です。経済の視点、社会の視点、環境の視点の3つです。これをより簡単に言うとカネ、ヒト、地球です。
地方創生SDGs金融フレームワーク
企業側でもこれってSDGsに向かってるのかな?とわからないところがあるので、地方自治体があなたの企業はSDGsに向かってますよって認めて支援していくという動きが始まっています。認められているんだったら応援していこうと地方だったり大手の金融機関が応援するというスキームなんですね。
自分ごと化へ
最初は小さな自分ごとから始まったことが大きな自分ごと化になっていくということがあるので、サステナブルな投資を行うことで未来の世界を良くして、そして自分の未来も良くしていくということができるのが一番いいんじゃないかなと思ってます。
ディスカッションI 要約
環境問題をビジネスの関係
- Q
- 環境問題をビジネスで解決する難しさを感じているのですが、どのように結び付けたらよいでしょうか?
- 社会課題を解決するためのビジネスはまさに今の時代に合っているものなので、自信をもってぜひ挑戦して欲しいです。
- Q
- SDGsを生活に取り入れるにはどうしたらよいでしょうか?
- 身近なところからまずは知識をつけて欲しいです。本や動画などで調べて、自分ができることとできないことがあることに気づくことが大切です。自分ができないことは投資という形でアクションを起こすという方法になると思います。
人生100年時代の賢い資産形成術
~iDeCo・NISAの活用法~
飯村 久美さん
FP事務所アイプランニング代表
講義要旨
投資をはじめたいけれど元本割れが怖い
金融商品のリスクとリターンの関係をぜひ知っていただきたいです。預金、債権、株式とありますが、FX取引や仮想通貨取引といったものはゼロサムゲームと呼ばれていて、誰かが利益を上げると誰かが損をする構図になっているんですね。ところが、投資信託に含まれるような債権や株式は、経済が発展したらみんながプラスになるようなハッピーな投資なんです。
資産運用のリスクを減らすコツ
投資の期間を長期にすること、積み立てること、それから分散なんです。5年の場合は元本割れということがあるのですが、20年持っていただくと何と元本割れがゼロなんですよ。また、年金の運用は国内株式、債権、外国株式、債権それぞれに4分の1ずつ投資されているので、やはり個人の方でもこのような分散でリスクを抑えるという方法がおすすめです。
NISAとは
少額投資非課税制度と言いまして、NISA口座を開いてその中で取引をして儲かった部分には税金が非課税だよという制度です。
iDeCoとは
これは個人型確定拠出年金です。任意で加入できる任意の年金上乗せ制度です。5千円以上で自分で決めた額を積み立てて60歳以降に受け取ります。職業によって限度額が決まっています。
ディスカッションII 要約
- Q
- 大学生でも投資できますか?
- はい。成人が18歳になりましたので、ご自分の名義で証券口座を開設できます。ポイント投資などもありますのでチャレンジしやすい環境になっています。
- Q
- アメリカの株を積み立てていますが、下がっているので同じ額で積み立てるのか同じ株数で積み立てるのか迷っています。どのようにするのがよいでしょうか?
- 私の場合は投資金額を毎月一定にしています。これはドルコスト平均法と呼ばれる方法で、下がっている時はたくさん買えます。家計の管理もしやすいですしね。もしアメリカ株だけを買っているようであれば、他の国や地域と組み合わせて分散投資をおすすめします。
サステナブルファイナンスの基礎
内 誠一郎さん
インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 投資戦略部部長 セルフインデックス・ESG事業推進担当
講義要旨
代表的なESG投資の手法:スクリーニング
大きなところでは3つありますが、一つ目はスクリーニングです。日本語で言うと「ふるい分け」というような意味になりますが、価値観に合わない企業には投資しないという方法です。非人道的な兵器を作る企業には投資しないといったことになります。
代表的なESG投資の手法:ESG統合
企業を評価する情報の一つとしてESGに関する情報を活用して企業が優れている、優れていないという投資判断をする方法です。今はESGに関して優れていないけれど、そこさえ変われば非常に信頼できるという企業もたくさんあるので、こうした企業に投資するというのもESG統合の方法です。
代表的なESG投資の手法:テーマ投資
テーマ投資は世の中を変えていくことを目的とした投資法で、太陽光発電の企業ですとか再生エネルギーの企業に投資していくことで、課題を解決する企業に投資するという方法です。ESG投資を収益機会ととらえているアプローチになります。
まとめ
ESG投資はリターンを度外視したものではなく、むしろ長期的資産形成の合理的な手法だということです。消費者はすでにサステナビリティを重視した活動を行っており、これから金融の中でもサステナビリティを重視することがますます広がっていくと考えられます。我々投資家がサステナビリティを考慮していくことで企業が変わっていく、企業が変わることで世の中も変わっていくという非常に良い循環が起こってくることが期待できます。
ディスカッションIII 要約
- Q
- ESG投資を個人で行っても影響は少ないのではないでしょうか?
- 多くの人が行うことで大きな力になります。これは選挙と同じようなことで、多くの人が集まれば機関投資家に勝る力になります。個人投資家は消費者ですから、企業に与えるインパクトは大きいです。
- Q
- ESG投資をしているのですが、資産が目減りしているためESG投資と言っていられない現状があります。
- 長期的な積立投資は非常に有効な資産運用であることから考えると、株式相場が下がっている現状はむしろ買いやすいです。今まで投資を行ってきたという人は長期を考えて、いずれまた成長すると信じて取り組んでいただきたいです。
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