東京・サステナブル・ファイナンス・フォーラム アーカイブ動画配信中

なぜサステナブルファイナンスが重要なのか

東京都の補助金事業、東京・サステナブル・ファイナンス・ウィークは、持続可能な都市作りに貢献するサステナブルファイナンスをテーマとした各種イベントを集中的に開催し同ファイナンスの普及とこの分野における東京のプレゼンスの向上を目的としている。

なぜ今サステナブルファイナンスを考えることが重要なのか。

気候変動対策は持続可能な経済社会を構築するために重要だが、ロシアのウクライナ侵攻を受けエネルギー市場の需給が逼迫し価格が急騰している。
エネルギートランジションの加速には財政資金だけでは賄えず、民間資金をうまく循環させることで脱炭素化に要する資金需要を円滑に賄うことがサステナブルファイナンスの大切な役割だ。

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浮かび上がる顕著な傾向

投資家報告制度を見て回って浮かび上がった四つの顕著な傾向を報告する。

まず資産所有者と運用会社に課せられたESG報告要件の数が増えていることだ。
2点目に「テルミー」から「ショーミー」に報告スタイルが変化しつつあること。
当初、報告義務は議決権行使を重視していた。

3点目にESGの中でも特定課題に絞り込んだ報告が気候関連で増えていることである。
最後に、企業によるESG報告の分野で世界的な修練の傾向が見られることだ。

PRIの枠組みは、投資家にとって今後も価値を提供し市場の変化を導くものでなくてはならず、各国の規制要件と整合性を持つ必要がある。
日本の金融規制当局はサステナブルファイナンスを重視しており勇気づけられている。

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ナレッジバンクとしての世銀

世界銀行は単なるお金の貸手ではない。
ナレッジバンクであり加盟国とともにより環境に優しく、より強靭な未来を創造するための努力をしている。
世界各地に130以上のオフィスを持ち気候変動や環境に限らず、さまざまな分野の知識を持つスタッフがいる。

サステナブルな都市、インフラ、人的資本。
融資には技術的なパッケージが含まれ、持続可能な開発目標を達成するためにライフサイクルを通じた設計と監視を行っている。
マイルストーンの達成に応じて資金提供するなど気候変動に焦点を当てたプロジェクト融資をしている。

世銀はグリーンボンドのパイオニアであると同時に戦略的パートナーシップの構築など持続可能な資本市場の発展を支援している。

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アメとムチのアプローチ

投資の世界でパラダイムシフトが起きている。
投資家が持続可能な開発に与える影響について考えるようになったのだ。

資本を投じることは、より持続可能な行動への拡大やシフトに直接的に資金提供することになる。
気候変動による最悪の被害から逃れるための移行経路はアメとムチのアプローチともいえる。
投資家は化石燃料を採掘する人との資本コストを変えることで間接的に影響を及ぼす。
化石燃料の採掘をとめることで、多くの供給不足を引き起こせるのだ。

投資家はグリーン活動を行う企業と化石燃料を採掘する企業の資本コストを変えることで政府の決定と似た結果をもたすことができる。
気候変動の緩和が現実となるかどうかに影響を与えられるのだ。

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3本の柱でGX加速

サステナブルファイナンスを巡って政府はカーボンニュートラルを2050年に実現するという方針を打ち出している。
2030年までに温室効果ガスを46%削減するという中間目標や、2030年のエネルギー構成の野心的な見通しを示しており、国際公約の実現に向け、脱炭素に向けた経済社会産業構造変革、いわゆるグリーントランスフォーメーション（GX）を加速させる。
具体的には今後10年間、GXに官民合わせて150兆円の投資を行う。

金融庁では三つの柱、すなわち企業開示の充実、市場機能の発揮、金融機関の機能発揮に沿って取り組んでおり、これらにより市場の健全な機能の発揮を通じて、持続可能な社会と成長を支えていくための枠組みづくりを推進していきたい。

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目指すは環境価値経済圏

衛星データを活用するベンチャーとして起業し、見えてきたのは地球温暖化が進んでいるということだ。
カーボンニュートラルに向けて変化を求められる時代だが、意識はしても行動が伴わないのは「何をすればいいか分からない」からである。

そこで「becoz」という新しい環境価値のプラットフォームを作った。
環境価値を測るものさしで、クレジットカードで決済すると自分のCO₂の排出量が可視化できる。
どうすれば目標に近づけるのか分かるアプリで、今後、車や家など幅を広げることにしている。

個人の脱炭素化を企業や地域を巻き込んで行うサービスで目指すは環境価値経済圏だ。
CO₂排出量の可視化で生活者の意識や行動を変えカーボンニュートラルを作る。

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ESGビジュアライザーサービス企業

我々は、日本で唯一のSDGSやESGに特化した非財務ビッグデータ集団、環境フィンテックのベンチャーである。

すべての投融資はESG化する必要があるが、コストが高い。
金融機関からすれば調査分析評価に非常にコストがかかる。
ESGデータの開示と評価を支援するデータインフラを全世界に作ればコストは下がるだろう。
そうなれば、道路やインターネットのように社会インフラとして、誰もがこれを使える世界になる。
我々は、社会インフラとしてESGデータのgoogleを作りたいと考えている。

現在、オープンデータを集めて整理するのをメインにしているが、将来的には、ESGを見える化するサービスとして提供するESGビジュアライザーサービス企業を目指している。

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エンドユーザー5000万人に

ニュージーランド初のフィンテック分野におけるグローバルリーダーで、世界の銀行やカードなどの決済プラットフォーム、気候変動対策ソリューションを提供している。
ソリューションは、カーボンフットプリントの測定機能、削減に向けた行動変容、オフセット機械の提供の三つのコア機能からなっている。

銀行カード決済サービスの顧客取引データからCO₂排出量を算出・可視化したり、ユーザーに最も適した削減メニューを提案したりするなど2023年末までに全世界で5000万人のエンドユーザーを目指している。

日本では、みずほリサーチ＆テクノロジーズとのグローバルパートナーシップを結び、東京都のグリーンファイナンス支援事業の対象でもある。

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世界最大のESGリスクデータ提供企業

我々はESGリスクデータを提供する世界最大の会社で、現在、500社以上の顧客と50社近くのパートナーに活用してもらっている。
先進国だけではなく新興国市場やフロンティア、さらに上場だけでなく非上場企業、さらにインフラストラクチャープロジェクトにも提供するESGデータプロバイダーだ。

日本のメガバンクも含め世界の主要銀行80行以上、大手投資顧問会社の25社のうち17社、国連機関やインデックスプロバイダー、事業会社にも提供している。

ESGリスクの観点から扱うのはネガティブスクリーニングに使えるもので、企業の開示情報ではなくメディアやNGO、シンクタンクからの情報。
120人以上が23言語で毎日50万件以上の記事をスクリーニングしている。

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金融と非金融の融合

脱炭素への移行過程を支援するトランジションファイナンスが重要で、そうした機能の強化なくして日本が掲げる2050年のカーボンニュートラルの実現は難しい。
サプライチェーン全体のトランジションを支援するファイナンス機能の高度化を東京で目指すべきで、サステナブルファイナンスをリードする国際金融都市・東京の戦略にも合致する。

みずほ銀行は東京都と連携協定を締結し、企業経営者のリテラシーの向上やさまざまな情報共有などで幅広い連携を図っている。
サステナビリティを推進する上で重要なのは、金融といったファイナンス面は言うまでもなく、非金融の機能もしっかりと充実させて、金融と非金融を融合させて提供することである。

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欠かせない非財務無形資産評価

企業価値を評価する際に開示されている財務諸表から得られる情報は近い過去が中心で鮮度は短い。
一方、ESGを中心とした安全性などの非財務情報は企業にとって息の長い取り組みが必要で情報としての賞味期限も長い。
それを考慮せずに投資判断を行うことは今や不可能。
当社は非財務情報を投資判断に生かすESG投資にも積極的に取り組んでいる。

知的資産の評価を手掛ける米国企業によると、企業価値に占める無形資産の割合は米国90%、欧州75%、韓国57%、中国44%。
それに対して日本が32%と低水準なのは無形資産に対する開示や取り組みが不十分なためだ。
非財務無形資産の評価を織り込んだ、知財等も含む情報を企業価値に正しく組み込むことが求められている。

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鍵を握る「金融」

世界は、気候危機やエネルギー危機という困難な課題に直面している。
この危機を乗り越え、持続可能な成長を実現するサステナブルリカバリーのカギを握るのが金融だ。

東京都は昨年、国際金融都市東京構想を改訂した。
グリーンファイナンス発展への戦略的な取り組みで東京グリーンファイナンスイニシアティブ（TGFI）を推進する。
グリーンファイナンスに取り組む海外フィンテックの企業の東京進出を支援している。

官民が社会課題の解決に一緒に取り組む新しい金融の流れを作り出したい。
そのために東京都は10億円を出資し年度内にソーシャルインパクト投資ファンドを立ち上げる。
国内外のESG資金を呼びこみ多くのチャレンジを生み出せると期待している。

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